2社間vs3社間:基本比較表
| 項目 | 2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング |
|---|---|---|
| 当事者 | あなた+ファクタリング会社 | あなた+ファクタリング会社+売掛先 |
| 取引先への通知 | 不要 | 必要(承諾が必要) |
| 手数料 | 高め(5〜20%) | 低め(1〜9%) |
| 入金スピード | 速い(即日〜翌日) | 遅め(3〜7日) |
| 審査難易度 | やや難しい | 通りやすい |
| リスク | あなたが売掛金回収責任 | ファクタリング会社が回収 |
2社間が向いているケース
- 取引先にファクタリング利用を知られたくない
- 今日中・数時間以内に資金が必要
- 取引先の承諾を得る時間がない
- QuQuMo・OLTA・labolなどオンライン型を使いたい
3社間が向いているケース
- 手数料をできるだけ安くしたい(1〜9%)
- 売掛先(大手企業等)が協力的
- 数日〜1週間の時間的余裕がある
- 売掛金回収リスクをファクタリング会社に移したい
2社間ファクタリングの仕組みと法的位置づけ
2社間ファクタリングは、利用者(あなた)とファクタリング会社の二者だけで完結する取引です。売掛先への通知・承諾は行わず、あなたがファクタリング会社へ売掛債権を譲渡した後も、実務的な回収は従来どおりあなたが行い、売掛先から入金された金額をファクタリング会社へそのまま送金する流れになります。この「集金代行」の仕組みにより、売掛先には取引関係の変更を一切知られることなく、資金調達を行えるのが最大の特徴です。
法的には民法466条に基づく債権譲渡として整理されますが、2社間では売掛先に対する債権譲渡通知を行わないため、債権譲渡の第三者対抗要件(確定日付ある通知または承諾)は具備されません。そのため、ファクタリング会社にとっては「二重譲渡」「利用者の倒産」等のリスクがあり、このリスク分が手数料に上乗せされる結果、3社間より5〜15%ポイント高い手数料水準(相場8〜18%前後)となります。
3社間ファクタリングの仕組みと法的位置づけ
3社間ファクタリングは、利用者・ファクタリング会社・売掛先の三者が関与する取引で、売掛先に対して「債権譲渡通知書」を送付し、承諾を得る点が決定的に異なります。承諾取得後は、売掛先からの入金は直接ファクタリング会社へ振り込まれ、利用者を経由しません。このため「二重譲渡リスク」「利用者倒産リスク」がほぼ排除され、ファクタリング会社側の引受リスクが大幅に低下、結果として手数料も1〜9%程度の低水準に抑えられます。
手続きとしては、利用者が申込後に売掛先へ譲渡承諾書を送付し、押印返送を受けてから契約締結・入金という流れになります。売掛先が大手企業・上場企業・官公庁の場合は事務処理が整備されており数日で承諾が得られますが、中小企業や個人経営の売掛先では承諾取得に1週間以上かかるケースもあります。
手数料の内訳:なぜ2社間は高いのか
2社間手数料の構成:①二重譲渡リスクプレミアム(5〜10%)、②利用者倒産リスク(2〜5%)、③売掛先信用リスク(2〜5%)、④事務・審査費用(1〜2%)。合計8〜20%程度になるのが一般的です。
3社間手数料の構成:①売掛先信用リスク(1〜5%)、②事務・承諾取得費用(0.5〜2%)、③利益マージン(1〜2%)。合計1〜9%程度と低水準。売掛先承諾により確実な回収が担保されるためリスクプレミアムが不要。
判断フローチャート:あなたに合うのはどちら?
Q1. 取引先にファクタリング利用を知られても問題ないか?
→ 問題なし → Q2へ / 知られたくない → 2社間を選択(ほぼ確定)
Q2. 入金まで1週間程度の余裕があるか?
→ 余裕あり → Q3へ / 今日・明日必要 → 2社間(3社間は間に合わない)
Q3. 売掛先は大手企業・官公庁など協力的か?
→ 協力的 → 3社間で手数料節約 / 難色示す可能性 → 2社間で無難に
実例比較:100万円の売掛金で比較すると
| 方式 | 手数料率 | 手数料額 | 受取額 | 入金までの日数 |
|---|---|---|---|---|
| 2社間(オンライン型) | 10% | 10万円 | 90万円 | 最短2時間 |
| 2社間(対面型) | 8% | 8万円 | 92万円 | 1〜2営業日 |
| 3社間(対面型) | 3% | 3万円 | 97万円 | 5〜7営業日 |
上記は代表的な相場の試算例です。同じ100万円でも方式選択で最大7万円の差が出るため、時間的余裕と取引先との関係性を踏まえた判断が重要です。継続利用を前提とする場合は、低手数料の3社間に切り替えることで年間数十万円のコスト削減が可能となります。
よくある誤解と注意点
- 「2社間は違法」は誤り:民法466条で有効な債権譲渡として認められており、最高裁判例でも有効性が確認されています。
- 3社間でも取引関係は維持できる:譲渡承諾を求めることで「資金繰りが厳しい」と見られる懸念もありますが、大手企業同士では広く実施されている手法。
- 売掛先の承諾を得ずに2社間だと偽って3社間手続きを行うのは詐欺:債権譲渡登記制度を併用する場合など、形式的に第三者対抗要件を具備しつつ売掛先に通知しない高度な仕組みもあるが、悪質業者の詐欺的手法との見分けに注意。
- 債権譲渡禁止特約への対応:2020年改正民法で、禁止特約付き債権でも譲渡自体は有効(第三者に重過失がない限り)。ただし売掛先との関係悪化リスクはあるため、事前確認が安全。
最大の違いは「取引先への通知の有無」です。2社間は取引先に知らせずに売掛金を売却できます。3社間は取引先の承諾が必要ですが、手数料が低くなります。
日本では2社間ファクタリングの利用が多数派です。取引先への通知が不要なため、取引関係への影響を避けたいという需要が多いためです。
ビートレーディング・アクセルファクターなど対面型・複合型のファクタリング会社が対応しています。QuQuMo・OLTA・labolなどオンライン完結型は基本的に2社間のみの対応です。