基礎知識
ファクタリングとは、企業や個人事業主が保有する売掛債権(請求書・未収入金)をファクタリング会社に売却することで、本来の入金日より早く現金化する資金調達手法です。最短当日での資金調達が可能で、銀行融資と異なり担保・保証人が不要です。
ファクタリングは売掛債権の「売却」で借入ではないため負債計上されません。ABLは売掛金や在庫を「担保」とした融資で借入金として計上され、貸借対照表に負債が増えます。
事業者(個人事業主含む)の事業上の売掛債権が対象です。給与・個人間の貸し借り・雇用契約に基づく報酬は対象外で、これらを扱う「給与ファクタリング」は違法の可能性があります。
償還請求権なし(ノンリコース)は売掛先が倒産しても利用者に返済義務がない正規のファクタリング。あり(リコース)は実質貸付で違法スレスレ。契約書で必ず確認してください。
本当です。民法第466条に基づく債権譲渡契約であり、貸金業ではありません。そのため貸金業登録は不要です。ただし買戻特約付きは実質貸付として規制対象になる場合があります。
正規のファクタリングは貸金業ではないため金融庁・財務局の登録は不要です。ただし悪質業者も多いため、運営会社の透明性・契約内容の合法性を必ず確認してください。
ほぼ同じ意味で使われます。「インボイス」は英語で「請求書」の意。ただし2023年導入のインボイス制度(適格請求書)とは無関係です。
正規のファクタリングは合法です。金融庁が2019年に「適法な取引」として公式に認めており、売掛債権の譲渡は民法第466条でも認められています。ただし「給与ファクタリング」や買戻し特約付きの取引は問題になる場合があります。
ファクタリングは「売掛債権の売却」であり借入ではないため、貸借対照表に負債として計上されません。スピードは圧倒的に早く(最短当日)、審査も取引先基準のため赤字企業でも通りやすいです。一方、手数料(コスト)は銀行融資よりも高い傾向があります。
2社間は利用者とファクタリング会社の2者間で完結し、取引先への通知が不要です(手数料は高め)。3社間は取引先の承諾が必要ですが手数料が安くなります。取引先に知られたくない場合は2社間を選択してください。
手数料・費用
2社間ファクタリングの手数料相場は5〜20%程度、3社間は1〜9%程度です。オンライン専業のサービス(QuQuMo等)では1%〜と低い場合もあります。売掛先の信用力・金額・業種によって変動します。
買取金額×手数料率が基本。例:100万円×手数料10%=10万円が手数料、手取り90万円。これに事務手数料・登記費用が別途かかる場合があります。
個人事業主・法人とも全額を必要経費(売上債権売却損または支払手数料)に算入可能です。消費税は非課税取引のため消費税申告には影響しません。
司法書士費用込みで5〜10万円が相場。法人の2社間ファクタリングで必要になることが多い。個人事業主は登記不要のケースが大半です。
手数料10%・サイト30日のファクタリングは実質年率約120%相当。短期繰り返し利用は累積コストが膨大になるため、銀行融資との比較では年利換算で評価することが重要です。
ほぼ全社で無料です。複数社(最低3社)に同条件で見積もり依頼するのが手数料を下げる鉄則。査定だけなら契約義務は発生しません。
違法ではありませんが、年利換算で利息制限法(年20%)を大きく超える条件は実質貸付として違法の可能性があります。手数料30%超は要警戒。
上がります。サイトが長いほどファクタリング会社の回収リスクが増えるため、120日サイトは60日サイトより2〜5ポイント高くなる傾向があります。
正規のファクタリング会社であれば、基本的に手数料のみです。ただし登記費用・調査費用・契約書作成費などを別途請求する業者もいます。事前に総コストを確認することをおすすめします。
①売掛先が大企業・上場企業の場合は低くなりやすい ②3社間を選ぶ ③金額が大きいほど低くなる傾向 ④複数社に見積もりを依頼して比較する、といった方法が有効です。
審査・必要書類
主に「売掛先(取引先)の信用力」を審査します。自社(申請者)の財務状況よりも、取引先が安定して支払いを行う企業かどうかが重要です。そのため赤字・税金未納・創業間もない企業でも審査を通過できるケースがあります。
①売掛先の信用力不足 ②売掛先が個人 ③請求書の真正性に疑義 ④過去に二重譲渡履歴 ⑤申込者の本人確認不備の5つが典型理由です。
オンライン完結型で30分〜数時間、対面型で半日〜1日。書類不備があると翌営業日にずれ込むため、申込前のチェックリスト確認が重要です。
個人事業主向け(labol・Paytner・Freenance)や一部の法人向けサービス(QuQuMo・OLTA)は決算書不要で申込可能。ビートレーディング等は法人の場合決算書が必要です。
相見積もり目的なら問題ありません。むしろ推奨されます。ただし同一請求書を複数社に「売却」する二重譲渡は詐欺罪に該当するため絶対に避けてください。
はい。ファクタリングの審査は売掛先の信用力中心のため、創業歴は重視されません。日本政策金融公庫の創業融資が断られた事業者の代替策にもなります。
不利になることはありません。むしろ利用実績がある事業者は審査がスムーズです。ただし他社で延滞・トラブルがあった場合はマイナス要因になります。
サービスによって異なりますが、一般的には①請求書(売掛金証明)②入金確認できる通帳コピー③身分証明書の3点です。QuQuMoは請求書と通帳の2点のみで申込可能です。法人の場合は決算書が必要なサービスもあります。
はい、個人事業主・フリーランスでも利用できるサービスが多数あります。ペイトナーファクタリング・ラボル・フリーナンス・QuQuMoは個人事業主専用または個人事業主に特に強みを持っています。少額(1万円〜)から利用できます。
ファクタリングの審査は主に売掛先の信用力を見るため、自社が赤字・税金未納・債務超過であっても審査を通過できる場合があります。ビートレーディングなどは「赤字・税金未納でも可」と明記しています。
入金スピード
サービスによって異なります。ペイトナーファクタリングは最短10分、ラボルは最短60分、QuQuMo・ビートレーディングは最短2時間です。OLTAやフリーナンスは最短即日(当日中)対応です。
銀行の即時送金システム(モアタイム)対応行なら土日祝でも入金可能。利用銀行・受取銀行の対応状況に依存します。事前に確認しておくと安心です。
深夜申込はファクタリング会社の営業開始(朝9時〜10時)後の審査となり、当日入金は午前申込が前提。夜間申込は翌営業日の午前中に入金が一般的です。
①平日午前中の申込 ②売掛先が大手・上場 ③請求書PDF即時提出 ④電子契約対応 ⑤同一銀行の振込先指定。これら5条件が揃うと最短2時間で入金されます。
即時送金システム対応なら同一銀行と同じスピードですが、対応外の場合は通常の銀行間送金(15分〜数時間)となります。当日入金条件として同一銀行を指定すると確実です。
まず担当者に連絡し書類不備の有無を確認。送金エラー時は受取口座情報の再確認。深夜・早朝の遅延は翌営業日まで待つしかないケースが多いです。
同日入金を確実にするなら午前11時までに申込・書類提出を完了。午後申込は翌営業日扱いになるリスクが高まります。
QuQuMoは24時間365日申込を受け付けており、休日・夜間でも入金が可能です。他のサービスも多くがWEBフォームでの申込を24時間受け付けていますが、審査・入金対応は営業時間内となる場合があります。
リスク・注意点
悪質業者の特徴:①手数料が極端に高い(30%以上)②買戻し特約がある③契約内容が不明確④必要以上の個人情報を要求。本サイト掲載のサービスはすべて正規事業者ですので安心してご利用ください。
ファクタリングは借入ではないため、CIC・JICC等の個人信用情報には記録されません。住宅ローン・自動車ローンの審査にも影響しません。
2社間ファクタリングを選択し、債権譲渡禁止特約の有無を契約書で確認。入金は通常通り自社口座に届き、その後ファクタリング会社へ送金するため取引先には知られません。
既に契約済の請求書については、譲渡先の権利は破産管財人に承継されます。預け金がある場合は債権者として配当を受ける形になります。大手・上場グループの事業者を選ぶことでリスク軽減できます。
使ってはいけません。労働基準法上、給与は本人に直接支払われるべきで、第三者への譲渡は実質貸付として違法。最高裁判決でも違法性が確定しています。
手数料が累積し資金繰りがさらに悪化する泥沼パターンに陥るリスクがあります。一時利用に留め、根本的な経営改善や銀行融資への切替を並行することが原則です。
契約締結前なら可能。締結後は売掛金の返還+手数料が必要となるケースが多く、実質キャンセル不可と考えるべきです。契約前に内容を熟読することが必須です。
①国民生活センター(消費者ホットライン188) ②各都道府県の中小企業支援センター ③弁護士会の無料相談 ④金融庁の金融サービス利用者相談室。違法業者は警察への通報も検討します。
正規のファクタリング(償還請求権なし)の場合、取引先が倒産しても利用者(あなた)に返済義務はありません。売掛債権のリスクはファクタリング会社が負います。ただし契約書に「償還請求権あり(リコース条項)」がある場合は例外です。
同一の売掛債権を複数のファクタリング会社に売却する「二重譲渡」は詐欺罪に該当する可能性があります。絶対に行ってはいけません。ファクタリング後の売掛金は適切に管理してください。
契約・税務・法律
法務局に債権譲渡を登記する制度。第三者対抗要件を確保するために2社間ファクタリングで実施されます。法人のみ対象で個人事業主は不要。費用は5〜10万円。
①償還請求権の有無 ②手数料の総額 ③解約条件 ④債権譲渡禁止特約への対応 ⑤紛争時の管轄裁判所 ⑥個人情報の取扱いの6点が必須確認事項です。
オンライン完結型のファクタリング会社(QuQuMo・OLTA・labol等)はクラウドサインなどの電子契約対応。署名・印鑑不要でスマホ完結します。
2020年改正民法でファクタリング自体は有効になりましたが、契約違反として取引先から損害賠償請求される可能性があります。事前に取引先の承諾を得るのが安全です。
対象外(非課税取引)です。消費税申告で控除対象にも納税対象にもなりません。ただし事務手数料は課税取引の場合があるため見積書で確認してください。
ファクタリング手数料自体は非課税のため直接の影響なし。ただし売掛先がインボイス登録事業者かどうかは関係なく、ファクタリング自体は通常通り利用可能です。
可能です。手数料は売上債権売却損として全額損金算入できます。赤字決算でもさらに損失計上することで翌期以降の税額軽減につながります。
直接的な不利にはなりませんが、ファクタリング常用は資金繰り難の兆候と銀行に映る可能性があります。緊急時の一時利用は問題なく、メインバンクには事情を説明しておくことが推奨されます。
対象が「事業者の売掛金」なら正規、「個人の給与・賃金」なら違法。労働基準法の対象となる雇用契約に基づく報酬は譲渡できません。
詐欺罪(刑法第246条)で告訴される可能性があり、最高で10年以下の懲役。ファクタリング会社のブラックリストにも登録され今後の利用も困難になります。
一部の事業者で対応していますが、為替リスク・与信調査の難しさから手数料が高くなる傾向。海外売掛金専門の貿易ファクタリング(フォーフェイティング)も別途存在します。
通常の取引として処理すれば問題ありません。仕訳例:(借方)現預金+売上債権売却損 /(貸方)売掛金。契約書・送金記録を5年間保管しておけば指摘されることはほぼありません。